新入社員の意識調査より

 3月に入り、来春新卒者の就職活動が本格的にスタートしました。リクルートスーツに身を包んだ学生さんを街中でもよく見かけますね。空前の売り手市場で、今の大学生は戦後最も就職がしやすい状況にいると考えられます。しかしながら、長い間日本企業の象徴でもあった「年功序列」や「終身雇用」が崩壊しつつある時代に、学生たちもこの状況にあぐらをかかず、したたかに活動しているようです。

 多くの学生が、自分の人生やキャリアを会社任せにしてきたこれまでの働き方に、危機感を持っています。経済のグローバル化やスピード化、少子高齢化や就労形態の多様化等により社会構造の変化が激しくなっている昨今、企業が自社の社員に対して最後まで面倒を見る力(終身雇用制度や退職金制度)を維持することは困難になっています。また、若い世代を中心にワークライフバランスを重視する人も増えてきました。2018年の新入社員の意識調査(日本生産性本部,2018)によると、男性新入社員の74.2%が育児休暇を取得したいと回答しています。さらに「自分のキャリアプランに反する仕事を我慢して続けるのは無意味だ」の質問に「そう思う」と回答した新入社員(男女含む)の割合は、過去最高の38.0%で6年連続増加傾向でした。これらのことから、今の学生たちは新卒のうちから自身の人生設計やキャリア形成を意識し、将来「転職」というカードを切る可能性も視野に入れた就職活動を行っているのではないかと考えられます。

 現に働いている人々の間にも、「こんな時代だからこそ自己能力を高めなければ」という層と、「リスクは取りたくないからこそ大企業や人事制度を利用して生き残ろう」という層に二分化しているように感じます。この2つはれっきとした゛雇用されうる能力=エンプロイアビリティ”であり、どちらが良い・悪いではありません。自身の人生設計やキャリア形成を会社任せにするのではなく、自分自身で選択し決定できることが大切なのです。

ひとLabo

キャリアコンサルタントオフィス

0コメント

  • 1000 / 1000