　企業内キャリアコンサルタントのお仕事は、企業の中で働く人びとが抱える仕事上の困難や悩み、職場環境や人間関係の問題等に関して、相談に応じ話を聴いていくことで、従業員にとって働きやすい環境作りを支援し、その結果、企業が抱える組織課題の解決にもつながっていくように働きかけていくことです。具体的には、①キャリア研修の実施やキャリアプラン構築のサポート、②キャリアカウンセリングといったものが挙げられます。

　①キャリア研修、キャリアプラン構築

　これらは従業員の年齢・年次ごとのキャリア開発の視点から行われるもので、それぞれのステージごとに各企業内で想定されるテーマを考え、企画実施します。たとえば、若年～中堅社員を対象にしたものであれば、「自分の適性や能力を現実の仕事との関わりで見極め、今後のキャリアプランイメージできるようにする」、中途入社者に対しては、「これまでの職務の棚卸しと現在の会社でのキャリアプランについて考えてもらう。」といったテーマが考えられます。また、マネジメントクラスになれば、「組織内で自分はどのように貢献できるのか、役割の転機を踏まえて考察する」というようなテーマが挙げられます。

　②キャリアカウンセリング

　日々の職務上で発生するキャリアに関する相談や職場環境での悩みに、個別にキャリアカウンセラーが対応します。相談内容は、「現在の仕事・職務の内容」や「職場の人間関係」に関するものが多くなっています。

　企業内にキャリアコンサルタントを導入するメリットは、個人のキャリア形成を支援するとともに悩みや相談に応じていくことで、従業員が主体的にイキイキと働けるようになり、企業経営にとって最も大事な「人」を守りながら経営課題の解決を目指していけることではないかと考えます。

2018.12